五感の全てを
島の空気にただ浸す
これといった目的などいらない
まずはここで一心に踏んでみよう
市井の想いは少しずつ削られていき
やがて残るのが笑顔
尾道でペダルを踏むサイクリストは
多分笑いながら
坂道を登ってゆく
春の日差しを感じはじめる頃
駅前桟橋の朝景
サイクリストと通勤客が行き交う
尾道ならではの一枚
対岸の向島とを結ぶ渡船は
市民生活に欠かすことができない
歴史は古く
記録は江戸時代にまでさかのぼる
最盛期には
一日、一万三千人を運んだ
尾道を舞台とした映画やドラマにも
多く登場する
世界各国から訪れるサイクリストは
人びとのいとなみの中を
旅することができる
これも尾道の大きな魅力のひとつだ
Photographer : Sachiyo Aso
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