海水浴や潮干狩りが楽しめる
向島の干汐から東をのぞむ
暁闇のうつくしさに
言葉を失う
まだ夜を残す
花紺青いろの空
朝日は世界を銀朱に染め
日の届かぬ海原は
濃藍いろを湛える
何艘もの小舟は
漕ぎ出す時を
静かに待つ
海とともに生きた民は
舟に宿り
航海の安全を守る
舟魂の存在を信じてきた
船頭だけに聞こえる
かすかな音で
吉兆と凶兆とを
伝えていたという
そんな話を思い出した
ある睦月の寒い朝


海水浴や潮干狩りが楽しめる
向島の干汐から東をのぞむ
暁闇のうつくしさに
言葉を失う
まだ夜を残す
花紺青いろの空
朝日は世界を銀朱に染め
日の届かぬ海原は
濃藍いろを湛える
何艘もの小舟は
漕ぎ出す時を
静かに待つ
海とともに生きた民は
舟に宿り
航海の安全を守る
舟魂の存在を信じてきた
船頭だけに聞こえる
かすかな音で
吉兆と凶兆とを
伝えていたという
そんな話を思い出した
ある睦月の寒い朝